...不図(ふと)下の部屋がカタカタする音に気がついて例の覗(のぞ)き穴から見下ろすと...
海野十三 「俘囚」
...私は不図(ふと)思いついて...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...第三刷序文岩波文庫に収めた北越雪譜は不図(はからず)も読書子の称賛を得て...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...「厭な夢だ」と不図独語した...
辰野隆 「旧友の死」
...不図見ると、呀(あっ)此処(ここ)にも、梁(はり)の上に頭は見えぬが、大きなものが胴(どう)から下(した)波うって居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...今まで思ひ出しもせざりし結城の朝之助に不図(ふと)出合(であひ)て...
樋口一葉 「にごりえ」
...そして決して受取らうとしないのであるが、私だつて出したものを引つこめるわけにもゆかないので、不図、もう羽織も欲しい季節だといふのに浴衣の重ね着をして控えてゐた傍らの雛妓(おしやく)を見たので、慌ててその子に渡すと、その養母(はゝ)と二人が非常に丁寧に頭をさげて、「若旦那様、どうも有り難う――」とお辞儀をした...
牧野信一 「熱海線私語」
...幽婉縹渺(ゆうえんひょうびょう)として底知れぬ観である――不図耳を澄ますと...
牧野信一 「ゼーロン」
...私の額からはじりじりとあぶら汗が流れて、もう目も見開いては居られなくなつた時、不図私は、この巨大な共鳴箱が悪魔の騒ぎを抱いたまま、ふはふはと天へ浮きあがつてゆく心地に誘はれたかとおもふと、やがて打上花火の弾丸のやうに一直線へ天上へ向つて飛びあがつた瞬間、それは轟然たる音響と共に爆発した...
牧野信一 「創作生活にて」
...そんな怖ろしい神話が不図思ひ出された...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...不図何か叫んだのを聞くと...
牧野信一 「二日間のこと」
...」樽野は斯ういふ声を耳にしたので不図眼を醒して見ると...
牧野信一 「円卓子での話」
...からつぽだ!」不図其処に樽野が顔を出して...
牧野信一 「村のストア派」
...その時に不図気が付きますと...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...不図ねる前にすこしこれをかきはじめました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...不図(ふと)自分の部屋の障子がスーと開(あ)いて...
柳川春葉 「一つ枕」
...不図気がついて見ると...
吉江喬松 「五月雨」
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