...十軒余りの西洋館がまばらに立並んだ所を歩いていました...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...お客の姿が急にまばらに見えるなど...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...裏の方は根太板のままでそれに薄縁(うすべり)が処まばらに敷いてあった...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...森はしだいに濃くなり人家はまばらになつてきた……あたりの景色には宿屋やその他の建物がだんだんとぼしくなつてくるようであつた……日光が昼日中だというのに荒れ模様の薄暗さになりかけた……濃い紫色の雲が濃い灰色の森の上にむらがつてきた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...崖が、だんだん低くなり、林が、まばらになり、木が少くなると、草原が、滑かな線をして、起伏してきた...
直木三十五 「南国太平記」
...その泣き顔をかくすために一所懸命足もとをみつめながら四五軒まばらに並んでる藁屋のなかのひとつにはひる...
中勘助 「銀の匙」
...木立はいよ/\深くまばらに日の光を漏す處...
永井荷風 「十年振」
...寺院や武家屋敷の屋根が所まばらに見えるくらいのものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...弁慶橋で乗り換えてからは、人もまばらに、雨も小降りになった...
夏目漱石 「それから」
...広い会場はまばらに席をあましてむしろ寂寞(せきばく)の感があった...
夏目漱石 「野分」
...まばらに草の生えた...
久生十蘭 「手紙」
...樫の若木の林はやがてまばらになつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...まばらに散らばつてゐる...
北條民雄 「青い焔」
...人通りは殆どまばらになつてゐた...
北條民雄 「道化芝居」
...そしてそれは極めてまばらに蒔かれるが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ぐるりとまばらに髯の生えた自分の顔をなでまわして云った...
「赤い貨車」
...雑草や小松がまばらに生(お)い...
吉川英治 「源頼朝」
...兵庫たちのいる所から、十間ほど離れた場所で、そこらには牢人者だの、女だの、町の者などが、まばらにいたが、旅の者が失(な)くした莚は、誰も敷いていなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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