...まさか青木が書いたのでもあるまいが……...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...ことしの五月の末に、私はアッツ島の玉砕をラジオで聞いたが、まさか三田君が、その玉砕の神の一柱であろうなどとは思い設けなかった...
太宰治 「散華」
...まさかと思いながら...
太宰治 「雌に就いて」
...まさか今時分、そんなことが、………と、ぎくッとしながら、気のせいかも知れぬと耳を澄ますと、矢張、「ニャア」と啼(な)いているのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...「他の首とはどんな首ですか? まさか庭の草の中に首が生えたんじゃないでしょう?」「いや」と師父ブラウンは嗄れ声で云いながら...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...まさかこんな乱暴な宅(うち)だとは思うまい...
徳田秋声 「新世帯」
...まさか株式会社そのものが科学主義的であるとは云えないだろう...
戸坂潤 「読書法」
...まさかそれがわからないほどじゃありませんさ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...季子が男の暴力を想像して、恐怖を交へた好奇の思に驅られ初めたのは、母と共に熊ヶ谷に疎開してゐた頃からのことで、戰後物騷な世間の噂を聞くたび/\、まさかの場合を、或時はいろいろに空想して見ることもあつた...
永井荷風 「或夜」
...「まさか!」しかし...
中里介山 「大菩薩峠」
...だらしのない駈落(かけおち)なのさ七兵衛おやじのはまさか掠奪でも誘惑でも駈落でもありますまいくわしくは本人に聞いていただきたいここまでは...
中里介山 「大菩薩峠」
...」村瀬はまさか自分に関することではなからうと思つた...
牧野信一 「女に臆病な男」
...「熊鷹には断じて云はないが、まさか、これから、君ひとりで彼処まで行くことは出来まいから、ともかく俺達の小屋へ行かないか...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...――まさか嘘(うそ)かと思うかもしれねえが...
山本周五郎 「青べか物語」
...“すでに光秀の首級をあげたり”という厳たる報告に接してもなお頭のどこかで「まさか?」と疑惑する常識を一掃しきれなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...拙者はどうでもよろしいが、お綱を質に取られたままでは、そこもとの立場として、まさか、このままお帰りになれますまい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...鉞(まさかり)を振りかぶって...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...まさかこんなところに人がいるとは思いませんでしたよ」彼女はその椿の葩(はなびら)のような唇を二三度動かしたけれど...
蘭郁二郎 「植物人間」
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