...のろいからだとにぶい顔をだしたときには...
伊藤左千夫 「告げ人」
...抽象的に云ふ場合には、さう云ふ風に進歩的な口調をまねても実際には家庭本位の教育をしてゐるのですから成るべく、総ての点で自分の考へなどはどうでもいゝやうな、決断のにぶい、従属的な傾向を帯びた女の方が歓ばれます...
伊藤野枝 「内気な娘とお転婆娘」
...にぶいひびきだけだった...
海野十三 「宇宙の迷子」
...にぶい金属的な光をもっていた...
海野十三 「火星兵団」
...そこからにぶい光がさしこんでいるばかりですから...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...にぶい白色に見えるのである...
中谷宇吉郎 「自然の恵み」
...右手のにぶいうごきにつれ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...決断がにぶいといったものもあるが...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...にぶい動作で、片づけてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...にぶい朝の太陽が黄いろい反射を照りかへして...
林芙美子 「瀑布」
...そんななかで、私は戸棚だの、箪笥だの、壁紙だのの、もつとしやりしやりした、もつと微妙な、もつと好評な、しかしもつともつと乾燥した匂ひを嗅ぐや否や、私はいつも人知れぬ烈しい欲望をもつて、あの花模樣のある寢臺掛の、何とも云ひやうのなく汚れた、にぶい、不消化な、果實のやうな匂ひの中に、再び身を埋めてゆくのであつた...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...冬のにぶい朝日が窓に射し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...にぶい玻璃(ガラス)窓を光らしながら置かれてあった...
室生犀星 「幻影の都市」
...薪はにぶい音をたてて転がり...
山本周五郎 「さぶ」
...刃がにぶい光をとばし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...金吾のにぶい瞳には...
吉川英治 「江戸三国志」
...泥と血にまみれた顔を上げて――土民は、伊織の顔を、にぶい眼で見た...
吉川英治 「宮本武蔵」
...にぶい褐色の紙には継ぎ目さえも見いだされなかった...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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