...ただなだらかな面平(おもたいら)に...
泉鏡花 「悪獣篇」
...先(ま)づ女らしい情緒が至る処に少しの嫌味もなくなだらかに出て素直な処が気持よく感ぜられた...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...なだらかな山があったり...
上村松園 「余齢初旅」
...それがなだらかなというより不気味な起伏を描いている下に...
高見順 「いやな感じ」
...銀色の虫が這うようにしてなだらかな肌を這い下り...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...それさへも過去のなだらかな手つきによつてぼかされ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...なだらかな静かな男だったが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...広重はこまごまとまたなだらかに書流(かきなが)したる戯作者(げさくしゃ)の文章の如し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...ここへ来るとまたカーヴのなだらか味を見せまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...丸底の盆をふせたようななだらかな傾斜の山である...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...その暗い底の砂地が妙に綺麗になだらかになつてゐるのが却つて気味が悪い...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...その一節さへもが容易になだらかには運ばなかつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...平和な長閑(のどか)な樣を歌ふにはなだらかなる長き調を用うべく悲哀とか慷慨(かうがい)とかにて情の迫りたる時又は天然にても人事にても景象の活動甚だしく變化の急なる時之を歌ふには迫りたる短き調を用うべきは論ずる迄も無く候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...なだらかな呼吸で...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...屋形はなだらかな谷峡(たにかい)の丘の上に在った...
山本周五郎 「菊千代抄」
...絶壁をなす高い峰々と高地の間にはより低くなだらかな麓の丘がある...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...なだらかな青葉の林に囲繞された淋しい大宝の小駅...
若杉鳥子 「旧師の家」
...その移り行きは極めてなだらかで...
和辻哲郎 「鎖国」
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