...ついには黒い水干(すいかん)の袖(そで)を斜めに...
芥川龍之介 「偸盗」
...ついには檻を破って一しょにあばれだしたのです...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...その時の荒磯の形のみっともなかった事、大鯰(おおなまず)が瓢箪(ひょうたん)からすべり落ち、猪(いのしし)が梯子(はしご)からころげ落ちたみたいの言語に絶したぶざまな恰好(かっこう)であったと後々の里の人たちの笑い草にもなった程で、和尚はすばやく人ごみにまぎれて素知らぬ振りで山の庵に帰り、さっぱりした気持で念仏を称(とな)え、荒磯はあばら骨を三本折って、戸板に乗せられて死んだようになって家へ帰り、師匠、あんまりだ、うらみます、とうわごとを言い、その後さまざま養生してもはかどらず、看護の者を足で蹴飛(けと)ばしたりするので、次第にお見舞いをする者もなくなり、ついには、もったいなくも生みの父母に大小便の世話をさせて、さしもの大兵(だいひよう)肥満も骨と皮ばかりになって消えるように息を引きとり、本朝二十不孝の番附(ばんづけ)の大横綱になったという...
太宰治 「新釈諸国噺」
...ついには、モンフェルメイュ旅館主テナルディエ様というあて名まで知られてしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ついにはたえ得らるるものとなる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ついには汚るるものに御座候...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その淋しさを消すために、冷酒(ひやざけ)を煽(あお)るようなこともあり、ついには毎夜、冷酒を煽らなければ寝つかれないようになってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ついには自分の方から狐のように変な眼遣(めづか)いをして...
夏目漱石 「行人」
...ついには斬った死骸の懐中を捜(さぐ)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ついにはほんとうに追いかけることをやめたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ついにはそれを市場外に逐いやらねばならぬ...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...けだし一切の有効需要がついには充足され...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ついには一兆マルクになるというような有様で...
三木清 「読書遍歴」
...しかも、その科学なるものが、私ども人類のその意欲の建設したものである結果、それがついには、「人間万能」というような思想を招来させまして、それに対して、さらにその人間の他の一方に、その人間の意欲を抜きにした、大自然というものをその対象として押し立て、言い換えますと、その大自然と人間とを対立させまして、かつては私ども人類の驚異の対象であり、いや畏敬のシンボルとさえ考えられておりましたその自然に対しまして、「自然征服」というような言葉を、いや言葉だけならまだしも、そういった思想までも持たれるようになって来ておりますことは、否定できない事実でございます...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...ついには幾巻(いくまき)をかなしけん...
森鴎外 「舞姫」
...ついには一つの茶碗が美しい茶碗たるための条件をさえ数えた...
柳宗悦 「民藝四十年」
...ついにはその谷を「よくないところ」の一つに算(かぞ)えて...
柳田国男 「山の人生」
...ついには間接ながらその筋から...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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