...世界を代へた天竺(てんじく)の蕃蛇剌馬(ばんじゃらあまん)の黄昏(たそがれ)に...
泉鏡花 「印度更紗」
...糸七の――『たそがれ』――というのがおありになって...
泉鏡花 「薄紅梅」
...花を理想的に愛する人は、破れた籬(まがき)の前に座して野菊と語った陶淵明(とうえんめい)や、たそがれに、西湖(せいこ)の梅花の間を逍遙(しょうよう)しながら、暗香浮動の趣に我れを忘れた林和靖(りんかせい)のごとく、花の生まれ故郷に花をたずねる人々である...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...またあたりは妙に森閑(しいん)と静まり返って再び山の墓場は木の葉の落ちる音一つ聞えるくらいの侘しい澄んだ黄昏(たそがれ)の色に包まれ初(そ)めたが...
橘外男 「逗子物語」
...木枯らしの吹くたそがれ時などに背中へ小さなふろしき包みなど背負ってとぼとぼ野道を歩いている姿を見ると...
寺田寅彦 「ステッキ」
...村落(むら)の者(もの)が去(さ)つた後(あと)には小(ちひ)さな青竹(あをだけ)の線香立(せんかうたて)からそこらの石碑(せきひ)の前(まへ)からぢり/\と身(み)を燒(や)いて行(ゆ)く火(ひ)に苦(くるし)んで悶(もだ)えるやうに煙(けぶり)はうねりながら立(た)ち騰(のぼ)つて寂寥(せきれう)たる黄昏(たそがれ)の光(ひかり)の中(なか)に彷徨(さまよ)うた...
長塚節 「土」
......
野口雨情 「沙上の夢」
...たそがれて峽のまちを吾が自動車(くるま)ひたに走りぬ愉しかりけり山鳩の啼く谷道の土ほこり花火と散りてわれなつゝみそこのやうな歌二ツ出來たのですが...
林芙美子 「大島行」
...たそがれ時になるやいなやシネラリヤに出かけてのう/\と翼(はね)を伸したのです...
牧野信一 「ランプの便り」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
...中将は自身の居間のほうで念の入った化粧をしてから黄昏(たそがれ)時も過ぎて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やや遠い路(みち)を来るうちに雪も少し降り出して艶(えん)な気のする黄昏時(たそがれどき)であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...未明から黄昏(たそがれ)まで...
山本周五郎 「お繁」
...彼女の思想には黄昏(たそがれ)も暁もなくて...
山本周五郎 「留さんとその女」
...たそがれに似るうす明り...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...――ちょうど黄昏(たそがれ)どき...
吉川英治 「三国志」
...たそがれかけた水面は...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼は黄昏(たそがれ)の散歩にも現われなかった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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