...いかにもいずこよりともなく発しきたりて...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...村に慣例(しきたり)の手伝酒を振舞つて居るところであるが...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...これはよほど昔からのしきたりらしいが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...光り蟲しげく跳びかへる夜の海の青き面をや眺むらむあてなき瞳遠く放たれ息らひたまふ君が側へに寄りそへるに浪はやさしくさしきたりまたひき去る浪遠き渚に海月のひもはうちふるへ月しらみわたる夜なれや言葉なくふたりさしより涙ぐましき露臺の椅子にうち向ふこのにほふ潮風にしばなく鴎鱗光の青きに水流れ散りてやまずせかれぬ戀魚の身ともなりぬれば今こそわが手ひらかれ手はかたくあふるるものを押へたり...
萩原朔太郎 「歡魚夜曲」
...よき芸妓としての守らねばならぬしきたりを可愛い養娘(むすめ)であるゆえに...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...奥様今回だけはしきたりを破って一緒にお食事なさいませんか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...此詞は斯うは言はず必ず斯ういふしきたりの者ぞなど言はるゝ人有之候へどもそれは根本に於て已に愚考と異り居候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...必ずかういふしきたりの者ぞなど言はるる人有之候へども...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...しきたりに倣(なら)はんとするにてもなく...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...彼等は生活のしきたりから殺伐な方法をとるしかなく...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
...君臣のしきたりに対する態度の対照を面白いと思って佐橋甚五郎という短篇を書いたと思われる...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...女は稼業の中心に入らないというしきたりとのため...
宮本百合子 「漁村の婦人の生活」
...漱石も、学習院の講演にモウニングコートを着て出て、あなたがたのような境遇の人々は、周囲の習慣、しきたり、人々の言で、一生を支配され易いものだ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しぜん寝屋の盃は二人だけでとり交わすしきたりであった...
山本周五郎 「竹柏記」
...酒手を当然のしきたりなどと云うからは...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...出陣には武門しきたりの古式もあるのだが...
吉川英治 「私本太平記」
...原始的なしきたりのまま...
吉川英治 「平の将門」
...伊織には商家のしきたりが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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