...兇行後には自分もみずからこの薬の力を借りて熟睡に陥り巧みにみんなの眼をごまかしていたものである...
海野十三 「電気看板の神経」
...なんとかうまくごまかして...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...社会に出てからは? やっぱりごまかしだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ごまかしを許さない実際の問題となったのである...
豊島与志雄 「反抗」
...良き酒に水を交ぜてごまかして売るというようなやり方を見て...
中里介山 「大菩薩峠」
...何とかごまかしが利(き)いたかも知れねえが...
中里介山 「大菩薩峠」
...薬草の中のわからないのを一つごまかしてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ漢人はこれをごまかし飾ることを知り...
中島敦 「李陵」
...何でも女をごまかしたり...
夏目漱石 「虞美人草」
...二重な笑いでごまかしか……うきよとはよくも云い当てしものかな――...
林芙美子 「新版 放浪記」
...この事實はあいまいにごまかしたり...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...たゞ無暗に口笛をピーピーと吹き鳴して自分で自分をごまかしました...
牧野信一 「晩春の健康」
...三文文士がこの字で幼稚な読者をごまかし...
宮本百合子 「愛」
...もはやまったくごまかしがきかない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ごまかしのないもの...
山本周五郎 「新潮記」
...「おらあ、それをいのちに生きて来た」と重吉は云った、「身についた能の、高い低いはしようがねえ、けれども、低かろうと、高かろうと、精いっぱい力いっぱい、ごまかしのない、嘘いつわりのない仕事をする、おらあ、それだけを守り本尊にしてやって来た、ところが、それが間違いだっていうんだ、時勢が変った、そんな仕事はいまの世間にゃあ通用しねえ、そんなことをしていちゃあ、女房子が可哀そうだっていうんだ」重吉は顔をあげ、唇をゆがめながら、少し意地悪な調子で云った、「いまは流行が第一の世の中だ、めさきが変っていて安ければ客は買う、一年も使ってこわれるかあきるかすれば、また新しいのを買うだろう、それが当世だ、しょせん火鉢は火鉢だって」「おめえ、どう思う」と重吉は喜助を見た、「そんなこっていいと思うか、みんなが流行第一、売れるからいい、儲かるからいいで、まに合せみたような仕事ばかりして、それで世の中がまっとうにゆくと思うか、――それぁ、いまのまに合う、そういう仕事をすれぁ、金は儲かるかもしれねえ、現におめえも知ってるとおり、檜物町も金六町も店を張って、金も残したし世間から立てられるようにもなった、それはそれでいいんだ、あの二人はそうしてえんだから、それでいいんだ、――おめえ、金六町と檜物町を知ってるか」「それぁ、そのくらいのことはね、親方」と喜助はあいそ笑いをした、「ま一つ、お酌しましょう」重吉は盃をみつめた...
山本周五郎 「ちゃん」
...石川らの道場の金をごまかしたことまで...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...氏政のようなごまかしをもってこの動流変貌の烈しいときを渡ろうとするような...
吉川英治 「新書太閤記」
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