...」――お札は、それは米袋に添へて三寶に調へてある、其のまゝでもよかつたらうが、もうやがて近い……年頭御慶の客に對する、近來流行の、式臺は惡冷く外套を脱ぐと嚔が出さうなのに御内證は煖爐のぬくもりにエヘンとも言はず、……蒔繪の名札受が出て居るのとは些と勝手が違ふやうだから――私ども夫婦と、もう一人の若い方、と云つて三十を越えた娘……分か?女房の義理の姪、娘が縁づいたさきの舅の叔母の從弟の子で面倒だけれど、姉妹分の娘だから義理の姪、どうも事實のありのまゝにいふとなると説明は止むを得ない...
泉鏡花 「遺稿」
...」黒い前髪、白い顔が這うばかり低く出たのを、蛇体と眉も顰(ひそ)めたまわず、目金越(めがねごし)の睫(まつげ)の皺が、日南(ひな)にとろりと些(ち)と伸びて、「ああ、お札はの、御随意にの預かっしゃってようござるよ...
泉鏡花 「遺稿」
...手の切れ相なお札の束が幾万円とも知れず入っているのを見たのです...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...自分は今このあたりのお札所のおまいりをすませて...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...そのお札を一万枚...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...目黒の不動様のお札を撒(ま)き散らしたり...
中里介山 「大菩薩峠」
...成田山のお札じゃあるめえし...
中里介山 「大菩薩峠」
...暗い天井裏のはりには古ぼけたお札(ふだ)が張りつけてあつた...
林芙美子 「うき草」
...奥様のお実家は江戸一のお札差(ふださし)の越後屋(えちごや)...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...柱(はしら)には種々なお札がベタ/\粘付(はりつ)けてあツた...
三島霜川 「平民の娘」
...お札所のようなところで御屋根銅板一枚一円と勧進している...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...そこの第一番のお札所を建て直すとき...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...お札を打って巡(めぐ)るのであります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...北条に「お札(ふだ)が降った」ことがある...
柳田国男 「故郷七十年」
...去年とうとう売られちゃったのよ」「あきちゃんて誰だ」「お札売りのうちの人よ」「覚えてねえな」と繁次は首を捻(ひね)った...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...遍路から貰った金のお札を水に浮かべて母に飲まそうとしたが...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...二人は母が金のお札を飲んで死んだものと思っていたに違いない...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...名を書いたお札を...
吉川英治 「三国志」
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