...彼のうつろな石棺は...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...もう半分うつろな目で...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「人魚のひいさま」
...そのうつろな気持を狙つては...
伊藤野枝 「惑ひ」
...ニツポンのフジヤマを、あらかじめ憧(あこが)れてゐるからこそ、ワンダフルなのであつて、さうでなくて、そのやうな俗な宣伝を、一さい知らず、素朴な、純粋の、うつろな心に、果して、どれだけ訴へ得るか、そのことになると、多少、心細い山である...
太宰治 「富嶽百景」
...うつろな瞳(ひとみ)をしていました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...うつろな眼を動かしていた...
直木三十五 「南国太平記」
...その声を、深い、うつろな、こわばった、遠い、この世のものとは思われぬ魔物のような、無形の、――とでも形容すべきでしょうか? 何と言ったらいいでしょうか? それはわたくしの経験の最後のものでした...
西尾正 「墓場」
...エミリイは今までにないうつろな眼をして...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...――「かくて今や竜の恐ろしき怒りをまぬかれたる戦士は、かの真鍮の楯を思い浮べ、そが上にしるされたる妖術(ようじゅつ)を解かんとて、竜の骸(むくろ)を道より押しのけ、勇を鼓して館(やかた)の白銀の床を踏み、楯のかかれる壁へ近づきけるに、楯はまことに彼の来たり取るを待たずして、そが足もとの白銀の床の上に、いとも大いなる恐ろしく鳴りひびく音をたてて落ち来たりぬ」この言葉が私の唇から洩(も)れるや否(いな)や――まるでほんとうに真鍮の楯がそのとき銀の床の上に轟然(ごうぜん)と落ちたかのように――はっきりした、うつろな、金属性の、鏘然(そうぜん)たる、しかし明らかになにか押し包んだような反響が聞えたのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...われらのうつろな...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...うつろな目で前の方を見たまま...
三好十郎 「胎内」
...我々の精神の好奇心にああいう肉のついていない・うつろな骨片をかみしゃぶらせることによってこれをはぐらかすため...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けれどもこれがいつまで続くかは……はっは」うつろな声だった...
山本周五郎 「新潮記」
...鋭く不安定なうつろな圧迫だった...
横光利一 「旅愁」
...二日もうつろな眼をしてゐる顏は...
吉川英治 「折々の記」
...うつろな容貌(かお)をしていた...
吉川英治 「三国志」
...いかにもうつろな眸(ひとみ)をしているように...
吉川英治 「親鸞」
...うつろな声でよんだ...
吉川英治 「親鸞」
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