...滝の水沫(しぶき)とも或は又猿酒の饐(す)ゑたいきれだか何やら怪しげなものゝけはひを誘つて...
芥川龍之介 「地獄変」
...夥しい草葉の蒸香(いきれ)が風と共に入つて來る...
石川啄木 「鳥影」
...されど草いきれはわが体温よりも自足(じそく)し...
伊東静雄 「詩集夏花」
...いいきれないのだ...
海野十三 「超人間X号」
...小生の小説もいきれ可申か...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...ムラサキシメジという紫の濃いきれいな茸も出るが...
高村光太郎 「山の秋」
...つき合いきれない...
太宰治 「如是我聞」
...私は堪えきれない場合にはよく酒を呷ったものである(今でもそういう悪癖がないとはいいきれないが)...
種田山頭火 「白い花」
...単なる商業政策的の宣伝とばかりはいいきれないであろう...
中谷宇吉郎 「塩の風趣」
...そこにもここにも若葉が燃え、草いきれがし、さうしてその中を武蔵野の名残りの水が音立てて夕焼空を映してゐたのだ...
正岡容 「大正東京錦絵」
...草いきれそのもの...
正岡容 「寄席行燈」
...はっきりとかつ責任をもっていいきれるであろうか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...えらいきれいな花があっただなあ...
三好十郎 「樹氷」
...人いきれと酒の匂いとで...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そのまま藤夜叉にも同等な過失だったと言いきれるほど...
吉川英治 「私本太平記」
...そんなことがないともいいきれない良人の身辺であり...
吉川英治 「親鸞」
...いい夢占(ゆめうら)にせよ悪い夢占にせよ一笑に附していたが――何だかそういいきれないものが日の経つほど感じられてくる...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...いくらお金を使ったって使いきれないんだから……...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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