...それはその外貌(がいぼう)の美しさが私をあざむきやすいからである...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...明智探偵助手 小林芳雄(よしお)大捕り物まんまと賊をあざむき...
江戸川乱歩 「大金塊」
...それのみが閑暇を有効なものにすることのできる経験を自分自身からあざむきうばうのであって...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...この世の中のひとりでも不幸な人のいる限り、自分も幸福にはなれないと思う事こそ、本当の人間らしい感情でしょうに、自分だけ、あるいは自分の家だけの束(つか)の間(ま)の安楽を得るために、隣人を罵(ののし)り、あざむき、押し倒し、(いいえ、あなただって、いちどはそれをなさいました...
太宰治 「貨幣」
...法律はあざむき得ても...
太宰治 「断崖の錯覚」
...あざむき合っていながら...
太宰治 「人間失格」
...私は君を一度あざむきしに...
太宰治 「HUMAN LOST」
...上天あざむき難し...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...それらの盲者は、天皇を抱きこんで外交権と統帥(とうすい)権とをにぎり、人民をあざむき、「東洋の新秩序」などと大言壮語して、人類を敵視し、ついに「降伏日本」の大汚辱を日本民族に蒙らしめたのであった...
蜷川新 「天皇」
...(昭和十四年四月、「議会政治社」発行)昭和時代の日本においては、日本憲法は、国のはじめから、不文に存在していたものを、ただたんに成文にしたにすぎないと説明する人が多くあって、ある人は、それをもって、人民をあざむき、ある人は、自己をあざむいていたのであった...
蜷川新 「天皇」
...世間体をはばかる丸屋六兵衛をあざむき...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仮にもし比較できる場合でも、感覚は我々をあざむかないし、あざむき得ない...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...三日に一度必ず金を糞ともにする馬とて兄をあざむき...
南方熊楠 「十二支考」
...幼帝をあざむき合い...
吉川英治 「三国志」
...なお自己の本心まではあざむき切れぬようで...
吉川英治 「私本太平記」
...帝をあざむきつづけて来たが...
吉川英治 「私本太平記」
...人をあざむき世を毒す食わせ者であることはもう分った...
吉川英治 「親鸞」
...かれは、お米をあざむき、己れの心をいつわる舌に重い苦渋をおぼえながら、「何を隠そう、そうした心は拙者とても同じであった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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